making of salla

* トルコの伝統レース「オヤ」との日々 *
アルメニアで出版されたアルメニアンレースの本

 

昨秋から個人的にずっと忙しく関わっていたことが少し落ち着いてきました。

そんな中、昨年末に届いていてずっとご紹介したかったのがこちらの本。

・・・タイトルが読めないのですが(笑) そのままGoogle翻訳にかけると英訳では『The embroidery lace.master classes』とあります。

 

アルメニアで出版されたアルメニアンレースの本です。

アルメニアンレースは、トルコのイーネオヤと起源を同じくしており技法もほぼ同じ、縫い針と糸で作る結びのレースです。

英語圏では今までアルメニアンレースの本は幾つか出版されてきました(何故英語圏で出版されているのかというと、アルメニア人の悲しい歴史が関係していると推測します)。

 

ではアルメニア本国では何か出版されてるのか?というと、存在はしているようですが言語の壁に阻まれて私には見つけられず・・・しかしそれでも情報を求めてネットを深く潜っていたら出てきたのがこちらです。

とても新しい本で、昨年(2016年)に出版されたばかり。

欲しい!と前のめりになって、どうにかこうにか取り寄せたのでした。

内容はというと、表紙からの想像で白糸のドイリー(イーネオヤでいうダンテル)的なものが主なのではと当初は思っていました。

もちろんそれも掲載されているものの、この写真のように日本で私たちがイメージするオヤのような立体のお花があったり、ユーモラスな鶏のモチーフがあったり、かと思えば現代的でお洒落なアクセサリー作品も載っていたり・・・非常に多彩。

今まで読んだことのある英語圏のアルメニアンレースの本は、ほぼダンテル的なものばかりでしたので驚きました。

言語がアルメニア語でなければ、トルコで出版された新しいオヤの本ですと言われても区別はつかなかったかも知れません。

(※2018年4月28日追記。その後の調べにおいて、アルメニアンレースとトルコのオヤの区別をつけることは難しいと言う結論に達しています。※※2018年10月29日追記。現在のトルコ領土の東側はその昔はアルメニアの領土でした。またこの本では、今で言うヴァンのあたりは白糸の平面ドイリー、エルズルムのあたりでは立体の花が主に作られていたという記述があります)

 

ただ、トルコの本と比べると全体的なデザインセンスが洗練されていて、非常に美しく鮮明な写真で手順や作品が掲載されています(ただし、編み図はありません)。また、古いアンティークと思しき作品の解説などはアルメニア語が読めないのがこれほど残念とは、と心底思いました。

(手順自体はオヤ経験者の方ならある程度想像はつく内容だと思います)

 

このように薄れゆく伝統手芸が書籍の形で残されて、こんなに遠い国にいる人間が手に取ることもあるということ、そしてさらに何十年後になっても読み継がれていくだろうということ。伝え残すことについて改めて考えるきっかけとなりました。

 

(※こちらのアルメニアンレースの本、少しだけ手元にあるのでお分けすることが出来ます。お問い合わせくださいませ※残部無。ありがとうございました)

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※現在、大阪・神戸の各カルチャーセンターにてトルコの伝統手芸「イーネオヤ」の教室を開講中です。

※ 2017年冬の講座情報一覧はこちら

 

 

| アルメニアンレース | 23:18 | - | - |
お知らせ(NHK梅田教室)

本日、一身上の都合によりNHK梅田教室さまでのレッスンをお休みさせていただきました。

直前のお休みということでご迷惑をおかけしましたこと、大変申し訳ございません。

振替レッスンなどについて、また後日詳細を打ち合わせのもと、受講生さまにご連絡いたします。

なにとぞよろしくお願いします。

(※追記。3/16に振替レッスンをする予定です)

 

また、4月から梅田教室ではイーネオヤ定期講座を開講予定です。

併せてこちらもよろしくお願いします。

 

西村佐和子

| ワークショップ | 16:52 | - | - |
マルイファミリー溝口店にて。

※ 2017年冬の講座情報一覧はこちら

告知が遅れてしまいましたが・・・

1/21〜/31まで、マルイファミリー溝口店さまの2階イベントスペース(エスカレータ横)「ギャッベと手仕事ZAKKA」にて、当アトリエSalla製作のイーネオヤアクセサリーを置かせていただいております。

 

写真のようなネックレスやピアス、また新作もございます。

実は昨年からCarre by Chouetteさまからのお誘いで都内デパート各所で作品を置いていただいていまして、今回もそのご縁となります。

トルコ伝統手芸「イーネオヤ」の技法にフランス製のアンティークビーズやスパンコール、また現地で自ら仕入れたトルコ製のパーツなどを組み合わせ、現代風に・そして日本人向けにアレンジした繊細さを目指しました。

 

お近くの方、よろしければ是非お立ち寄りくださいますと幸いです。

(私本人はおりませんが、素敵な店主さまがお迎えしてくださいます!)

 

| イベント情報 | 01:00 | - | - |
2017年。Yeni yılınız kutlu olsun !

遅ればせながら2017年明けましておめでとうございます。
(プライベートでは喪中のためご挨拶を失礼させていただいております、ご容赦くださいませ)

 

年越しは引きこもってダンテルを。
インターバル(もしくはリセットとしての処置)として基本の目をひたすら編むセクションをしていて、次をどうしようかと悩み中です。
ひとまず目数を数えようと、紙を8等分に折って放射線状にしたところへダンテルを置いて、それぞれの区切りの位置に色糸を結んでマーカーにしました。

目数が少ないところは次の段で増やし目をして適宜調整をします(本来はもう少し早い段階で調節します。また、調節しないまま進む場合もあります)。
こうすると、次に入れる模様が均等に配置されて美しく仕上がります。参考までに・・・

 

真ん中あたりにある四角い形が浮かび上がる模様は、イーネオヤやアルメニアンレースと呼ばれるこの種の技法においてよく見かけるものです。

モチーフ名としては、私が一昨年オデミシュで聞いたときは ”kesme şeker”(ケスメ・シェケル。「角砂糖」の意)と呼ぶ女性が多かったです。
(※2015年6月〜12月オヤパザール参加者30名の女性に聴取。7名が回答。そのうち6名がkesme şeker、1名がdağ oyasıと回答)

また、トルコの書籍(”Osmanlı'dan Günümüze Oyalar",Taciser Onuk,2005)においては ”Söbükaya”(the oval rock)と記されていて(P44)、これはチャムルヤイラ地方での呼称のようです。

※2/17追記。英語圏のアルメニアンレースの本(Nouvart Tashjian(1982)『Armenian Lace』Lacis)においては"Diamond Point Edging"(P11)もしくは"Diamond Insertion"(P31)と表記されていました。

四角い模様の間の渡し糸の処理にも色々あって、そのまま流す方法、渡し糸にも目を作る方法、渡し糸を3本まとめて真ん中で縛る方法など、様々なバリエーションがあり、とても幅が広く楽しめる技法だと思います

ここでは導入編として、シンプルにそのまま渡し糸を流した、小さ目の角砂糖を置いてみました。
(中級の練習課題・エチュードとして作成しています)


今年はまたダンテルの講座も再開出来たら・・・と思っています。
ご興味のある方はなにとぞよろしくお願いします。

 

※ その他2017年冬の講座情報一覧はこちらまで

 

 

 

 

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